昨今チベット暴動に関して日本共産党の動きが鈍いことに対して「日頃イラクにおけるアメリカ軍の非人道的行為とそれを支援している日本政府を厳しく糾弾しているくせに、チベット問題はスルーですか。中国の弾圧は良い弾圧ですか(嘲)。これだから共産党は以下略」などという感じのすこぶる付きに頭が悪い言説がネット界隈を飛び交う始末で、実にあほらしい。イラク問題とチベット問題を同列に扱う愚かしさは、ちょっと考えればすぐにわかることだというのに。
チベットでチベット族が恒常的に抑圧され、暴動の際に武力鎮圧されて死者多数を出していることは、これを止めようと思うのは人道主義に立てば当然だと思う。この事態に対して動きが鈍いことは決してほめられたことではない。しかし、日本共産党は中華人民共和国によるチベット族の弾圧を積極的かつ直接に支援してきたわけではない。
一方、911テロに乗じて民衆の恐怖心を煽り、虚偽の開戦事由をでっち上げて他国に侵攻し、開戦事由が嘘だと露見した後も居座り続けて今なお恒常的に現地住民を抑圧しているアメリカ合衆国という「ならず者国家」に対して、我々の政府は金銭や人員などを直接かつ積極的に支援している。
どちらを優先して止めるべきか?と考えれば結論は自明だろう。まして日本共産党は近年衰退の一途を辿り人的リソースも大いに制約されているわけで、優先順位が高い方に注力するのは当然ではなかろうか。
こういう事情を斟酌しないで上っ面だけをかすめて「二重基準」とか論評する度し難い連中の「痴性」を見せつけられて心底気が滅入る数ヶ月間だった。これから北京オリンピックに近づくにつれてこういう連中がますます幅を利かすようになると思うと憂鬱でたまらない。
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