2006/08/28

最近せっせと読んだ本。

機本伸司「神様のパズル」

ハルキ文庫版を買ってみたら、軟派な装丁やキャッチーな設定とは裏腹に中身はかなり熱いSFだった。道具立ても宇宙論だの粒子加速器だのインターネット分散コンピューティングだのと、玄人好みの渋いところを取りそろえている。クライマックスで主人公の吐くセリフは一見ダメダメでありながら非常にカッコイイ。

同「メシアの処方箋」

文庫になるのが待ちきれなくて購入した機本作品2作目。ひょんなことから発見された謎の古代遺跡。そこに記録されていた情報は人の遺伝子を組みかえるためのものだった。遺跡の調査に従事していた主人公は、生命倫理をぶっちぎって実際に遺伝子組み換え人間をつくるプロジェクトに巻き込まれてゆくが、実験の末生まれた子供は……という熱いトピックを扱った作品。

同「僕たちの終末」

ひょんなことから人類滅亡の危機が間近に迫っていることが判明した近未来、座して終わりを迎えるよりはダメもとで他星系に移民してしまおう!というプロジェクトに参加した人々を描いた群像劇。これまた好き心を刺激する作品で、移民宇宙船の設計思想や社会情勢などをがっちりと描写している。

これら3作に通底しているテーマは「私とは何か」という問いへの挑戦なのだが、あまり説教がましくなくきれいに話がまとまっている。観念的なSFが苦手な人も大丈夫。科学好きな俺には堪えられません。

2006/08/16

画像の投稿テストfrom W-ZERO3

どうやらうまくいかないみたいだ。こうなったらBlogger APIを直接叩いて(ry

実験:アレゲ電話でMIMI-holic

アレゲ電話ことWILLCOM W-ZERO3にはPicsel PDF ViewerなるPDFビューアが付属しているので、キラキラリップサービス&OCTOBERの同人CG画集を閲覧できるのか、PDFを転送して実験してみた。結果は失敗。メモリ不足で表示できないでやんの。

2006/08/14

こりゃダメだ。

映画「ゲド戦記」を鑑賞してまいりました。以前から「Yahoo!ムービー」などで散々酷評されている本作ですが、確かに酷評されるだけのことはある駄作ですね。

原作読んでないと何が何やらわからん。

「テナーとアチュアンの墓所の関係とか」とか「エンラッド」とか「パルンの知恵の書」とか「ハブナーのクモと大賢人の過去のいきさつ」とか……。

台詞が説明的なのに意味が分からない。

たとえば序盤にハイタカがアレンを「エンラッド王家の者」と見抜く場面。なんで分かったのかたずねるアレンに対して、ハイタカはモレドの剣(実際にはモレドの剣という言葉は映画には出てこないけど)を指して「この剣は魔法で鍛えられている」と答えるわけだが、それだけでは答えになってないではないですか。同様に、テナーの農場でアレンに「何で魔法使いの貴方が農夫みたいなことをしているんです?」って質問されてるのに「人間は世界の均衡を崩してしまう。わしらは均衡の範囲内で正しく生きることを学ばなければならない」ってのも答えになってない。

原作を好き勝手に切り貼りしまくっている

これはまぁ4部作を2時間の映画に詰め込むためだから大目に見ておくとしても。

野郎どもがヘタレ

アレンがあんなヘタレだというのも原作ファンには辛いが、それはさておきハイタカとクモのヘタレ具合が酷すぎる。猪突して罠にはまるハイタカは、死にたくない一心で世界の均衡を崩そうと目論むが未遂に終わるクモといい勝負。あんな考え無しのおっさんがアースシー最高の賢人だとすると、ほかの連中はそれ以上の考え無しってわけですよね……何かの悪い冗談でしょう?そりゃあ宇宙の均衡も崩れるわけですよ。

問題が宙ぶらりん

世界の均衡は結局誰が崩しているのか、これからどうなっていくのか分からないまま(原作の場合下手人はクモだったのだが、アニメだと未遂だし)。アレンの影も行方が知れないまんま。どう落着させるのか、最大限の注意力を傾けて見ていたら、未解決のままエンディングになだれこんでしまって唖然としたぞ。

テナーは真の名ですが

原作ではテナーというのは彼女の真の名前という設定(普段はゴハと呼ばれている)なんですが、なんでクモはアレン同様にテナーを操ってハイタカを城から突き落とすことができなかったんでしょうね?原作でテナーにハイタカを突き落とさせようとしたアスペンさんはちゃんとテナーを操ったんですが。

キャスティングがアレで演技が大根

読んで字の如し。

良い点

強いて挙げるとするならば、ジブリキャラのテナーさんがいい感じに萌えたことと、さすがにスタジオジブリの錚々たるメンバーが参加しているだけあってアニメーション技術という点ではなかなか見ごたえがあったこと、でしょうかね。もっともこれって演出がダメダメってことの別表現に過ぎないわけですが……。