2007/04/20

危機感無いねぇ、安倍壷三。

先日の長崎市長銃殺事件に対して、総理大臣は「捜査当局によって真相が明らかになることを望んでいる」と言う以外、何の意見表明もしていないらしい。……この事件を放置すると、日本の国威を失墜させる上に自分自身の発言も追及されかねないということを認識なさっていないのだろうか?人間誰でも(少なくとも)我が身は可愛いんだから、自分の身に危険が迫ればちったぁマシな働きをするかと思っていたのだが、どうやら安倍壷三にはそういう危機を感じ取るセンスが無いみたい。「人間力が低い」ってきっとこういう人間のことを言うんだよね?

耄碌したジジババの床屋政談にしか見えない会議が取りまとめた「教育再生」に賛成の皆さんに提案なのだが、あなた方が支持する政策を取りまとめる総元締めは、随分いい歳で、おまけに総理大臣の座にありながらこの体たらくである。このボンクラに「教育再生」をやらせる前に、可及的速やかに彼自身をして人間力を涵養せしめるべきではなかろうか。必要なら施設に強制収容しても一向に構わないぞ、多分いないほうがマシだから。

さて、今回の事件に対する総理大臣の反応の鈍さを見ていて思い起こされるのは、昨年安倍総理が訪欧してNATOでぶちあげた演説だ。この演説で安倍総理はいみじくも「日本は欧州諸国と法による統治・民主主義・言論の自由などの基本的な価値観を共有している」旨演説を打ったそうで、当時この報に接した俺は即座に「また例によって心にも無いおべんちゃらを」と嘲笑したんだけど、今回の事件に対する総理大臣の反応を見るに、やっぱりおべんちゃらだったのだと改めて認識させられた。民主主義を民主主義たらしめている神聖不可侵な「選挙」の期間に候補者が殺害されるというのは、民主主義・法による統治・言論の自由に対する重大な挑戦、そしてアメリカのソレに対する戦いを我が国が(無分別にも)支持してやまないところの明白な「テロ行為」である可能性が高いと見るべきだろう。これを看過すれば世の左巻き連中は「自らの発言を自ら否定してる」と受け取るに決まっている。文明開化より一世紀を経た現在でも、日本は西欧列強のいい笑いものになるんでしょう。気が重いことだ。

かくして安倍は2006年訪欧時にNATOで行った自らの演説の価値(いや、もともとそんなもんは無いという考え方もあるけどさ)を刻一刻と自ら失墜させつつある。われわれの指導者がヨーロッパの皆さんと共有したい価値観というのは

  • アメリカ様(©外骨先生)の「テロに対する戦い」は支持するけど、国内で発生したテロなんてキョーミないッス
  • 国内には民主主義も法の統治も言論の自由もいらなくね!?

という実に「立派」なものらしい。だったら正直に最初からそう言やいいのに、国費を使って欧州大陸までウソを吐きに行ったのか。日本の総理大臣は嘘吐きですか。これは国威が失墜しますねぇ。

もっとも、アメリカにもジョージ・ブッシュとかいう名前の、駄法螺でイラク人とアメリカ人を万単位で殺しまくった大嘘吐き野郎がいるわけで、何事につけてもアメリカ様を立てて三歩後を付いて歩くのが日本のお国柄、ここいらの国際舞台でウソの一つも吐いて見せないとアメリカ様に忠誠心を疑われるのかもな。

と、ここまで書いてGoogleニュースをチェックしたら、asahi.comに「「暴力団撲滅へ徹底捜査を」 首相、国家公安委員長に」という記事が掲載されていた。以下に冒頭を引用する。

 安倍首相は20日、伊藤一長・長崎市長の射殺事件や神奈川県相模原市などでの発砲事件を受けて、溝手国家公安委員長に「暴力団による発砲事件が続いているので、徹底した捜査、再発防止に取り組んでもらいたい。銃の発砲や暴力団撲滅に全力を尽くしてもらいたい」と電話で指示した。

……いや、たしかに銃や暴力団の取り締まりは重要だよ?ただ、長崎市長銃撃事件を受けてこの発言はいかがなものかと思うんだってば。これってつまり俺などが、長崎市長銃殺は「民主主義」や「言論の自由」への重大な挑戦であるという認識なのに対して、安倍は単に「法の統治」への挑戦であるとしか思っていないということじゃん。ひょっとすると、市長銃殺事件を「銃取り締まり・暴力団対策の不徹底」という問題に矮小化しようという意図があるのかもしれないけど。だいいち、与党政治家や関東地方の某地方自治体の首長などという連中は自ら頻々と「法の統治」に果敢にチャレンジしていらっしゃるので、今回の指示も真剣味が乏しいこと甚だしいし。

最後に、本稿を執筆する際、うろ覚えだった安倍NATO演説についてソースに当たるために「安倍 価値観 共有 民主主義 言論の自由 法の統治」などというキーワードでGoogle検索を実行したところ、上位にヒットしたのが「特亜の脅威」を引き合いに出しつつ件の安倍演説を賞賛するネットウヨのキショいblogばかりだったことには心底ゲンナリした(ホスト名を眺めていたら、産経のiza!がやたらと目に付いたしな)。ああいうトコに寄り集まって相互トラックバックや同意コメントの嵐で集団オナニー。ネットウヨは想像を絶するおめでたいメンタリティの持ち主ばかりのようですな。

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