2008/05/01

超絶馬鹿番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」

番組のネタにされているプロフェッショナルな方々は別にどーでもいいんですが、あの「茂木健一郎」という「脳科学者」だけはマジ勘弁してくれと言いたいのです。脳科学の分野でどれだけ大層な業績を上げているか門外漢の私は知りませんが、テレビ番組にレギュラー出演して各界のプロフェッショナルの仕事にコメントを付けるには広く浅い知識が圧倒的に足りてないと思います。というか、知識が足りないのはしょうがないんですが、だったら思いつきの口から出任せは言わないでいればよいわけで、一言で言うと「学者にあるまじき軽率な発言」をやらかしているのです。

いつの回だったか失念しましたが、彼は「人間が金を珍重するのは、青銅が溶けた時の色が金色だからだ」などと言っておりまして、物理屋さん・金属材料屋さん・そして全国津々浦々の製鉄所その他で働く方々や鋳物屋さんを笑い死なすつもりなのかとあきれかえった記憶があります。

「加熱していくと金色に光る」という現象は、青銅に限らず(温度に多少の違いはありますが)金属やセラミックスではごくごく普通に起こる珍しくも何ともないものです。融かした鉄は緑、アルミニウムは紫、銅なら銀色なんて具合に色が違うなんてコトはありません。第一、金色がそんなに珍重される凄い色なら、わざわざ加熱して融かさなくても、常温での青銅の色がまさに金色です(銅と錫の比率で色が変わるんですが)。他にも鉄と硫黄の化合物である黄鉄鉱や、亜鉛と銅の合金である真鍮なんかばっちり金色です(折り紙の金紙は真鍮の薄い箔を貼って金色にしている)。そんなわけで「金属を融かしたときの色だから金は尊い」なんて嘘っぱちも良いところです。

金が珍重されるゆえんは、化学的にきわめて安定なため、融かして固めようがその辺にほったらかして風雨にさらそうが硫酸ぶちまけようが水酸化カリウムに漬け込もうが何をしようが金のままである、という性質です(現在では金といえども一部の薬品には溶けることがわかっていますが)。しかも金は亜鉛や鉄などと違い、化合物としてではなく金属そのまんまの状態で出てくることがありますから、人類が知る最古の金属の一つです。不老不死にあこがれた我々の遠いご先祖様にとっちゃ、永遠という概念を体現したかのようなこの金属はさぞ尊く見えたことでしょう。

上記の金にまつわる蘊蓄は、私が大学で金属材料学を専攻していた際に仕入れた雑学なので、門外漢の茂木氏が知っていてしかるべきだとは思いません。ですが、何か良い感じの思いつきを発言したくなっても、門外漢の分野であったら「ひょっとしてこの思いつきは荒唐無稽なだけじゃないか?」と思い直して言いたくなるのを思いとどまる慎重さが欲しいのです。昔のえらい人も「無知の知」」って言ってるじゃないですか。

そんなわけで、テレビ番組において茂木氏が自分の専門以外のジャンルについて言ったコメントについては、常に「これは間違ってるかも知れないぞ」と注意をはらいつつ視聴すべきでしょう。下手に鵜呑みにすると後々赤っ恥をかく可能性が高いです。


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1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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